最高の一騎打ち

有馬記念でよく言われる一騎打ちはテンポイントトウショウボーイだが
年齢的にそこまでの感慨はない。
僕にとっての一騎打ちとなると1999年のレースを思い出す。


この年、春の天皇賞を取り、凱旋門賞へ旅立とうとしていたスペシャルウィーク
京王杯SCを鬼脚33.3で制すも、安田記念エアジハードに苦杯をなめたグラスワンダー
両馬の流れは対照的であったが宝塚記念を制したのはグラスワンダー
グラスワンダーの決め手の鋭さは圧倒的で、スペシャルウィークは国内専念に追い込まれた。


しかし、秋はまた両者の立場は逆転。
スペシャルウィーク京都大賞典で惨敗も、秋の天皇賞ジャパンカップをするどい末脚で奪取。
グラスワンダー毎日王冠を制すも、結局GIを使うことなく有馬記念を迎えることに。


戦前から一騎打ちといわれた有馬記念
両馬のオッズはわずかにグラスワンダーが1番人気。両馬の馬連は4倍を超えていた。
しめしめだと思った。この両馬で決まるのは間違いないと思っていたから。


レースは意外な展開。グラスワンダーは集団後ろは予想通りだがスペシャルウィークは最後方。
宝塚記念での教訓からスペシャルウィークがマークする展開は予想できたが後ろ過ぎると思った。
グラスワンダーが早めに動き一気に加速したときに追いつけるのかと思った。
しかし、スペシャルウィークグラスワンダーに勝つにはこれしか無いとも思った。


3コーナーを回っても2頭は後ろ。先頭はかなり前。
ここでグラスワンダー動く、するすると前へ。4コーナー手前では先頭集団に取り付く。
最後方のスペシャルウィークもそれに合わせ前へ。
しかし、ツルマルツヨシの伸び鋭く、直線先頭。グラスワンダーも追う。
ツルマルツヨシをかわして先頭のグラスワンダー。しかしスペシャルウィークも伸びてくる。
よく見ると、内からテイエムオペラオーもすごい脚で迫ってくる!
3頭なだれ込んだ先がゴール。でもテイエムオペラオーはちょっと届かない!
しかし、2頭はどっちが先なのか全く分からない。写真判定を待つ。
今でこそ当時ほどの感慨はないけど当時は秋のGI3連勝は夢の大記録だと思われていた。
勢いはスペシャルウィーク。偉業がなったと思った。


写真判定の結果はグラスワンダー。グランプリ3連勝。
僕はグラスワンダーファンなので、勝利はうれしかったが。
でも、偉業&引退のかかったスペシャルウィークに同情。


しかしながら、通常なら前にいた馬の勝つレース。
馬の力を信じて後ろからレースを進めたグラスワンダー的場均
そのライバルをかわせば勝利と信じたスペシャルウィーク武豊
この年の有馬記念は超一流馬の2頭立てのレースだと思う。
そういう意味では、最後割って入ったテイエムオペラオーの活躍は当たり前だったのかもしれない。